原子力の安全性については福島で実証されたことは明白なはずであるが、今もって、あれは神のなせる所行だの、菅災だのとの議論がやかましくされている。原子力については国策の名の下、立地から補償まで原始福祉政策が手厚くされているところに問題がある。
原発を有する電力会社に次の質問をしたい。
原発に関する公開質問状
1. 現在保有する原発は安全でどのような事態でも、福島のような事故にはならないと考えていますか? Yes / No
2. 原子力はベースロードをまかなう点で経済合理的な発電方式だと考えていますか?
Yes / No
1.で安全とお答えになった会社は次の質問にお答えください
3. 国の損害補償制度は打ち切った場合、原子力を独自に継続されますか?
Yes / No
2.で経済性があるとお答えの会社は次の質問にお答えください。
4. 国の放射性廃棄物処理の補助を打ち切った場合、原発を独自に継続されますか?
上記の3、4にYesと答えた会社は次の質問にお答えください。
5. 原発に起因する障害、死亡などの事故が発生した場合、業務上過失傷害、致死を、原発の設計、建設、運転、保守の責任者に厳密に課す法律を制定がされた場合においても責任をもって原発の継続をされる意向ですか?
Yes / No
ノーベル経済学者スティグリッツ教授などが指摘するように、社会の合理的な経済活動を妨げる大きな要因としてエージェント問題におけるモラルハザードがある*。この理論によれば、国を原発の依頼者、電力会社をその請負人(エージェント)とすると、電力会社にはリスクを過小評価し、安全対策を安く見積もった情報しか国(国民)に対して出さないというインセンティブが働く。なぜならば、いざという時の費用は全部国が見てくれるわけで、そうした確率的に低い(10%以下でしょうか?)を考慮した経営はむしろ、間抜けな非合理的経営ということになる。原発の事故隠し、活断層、設計基準などの情報改ざんといった行為は経済学的にはエージェントとしての合理的な経済行動なのである。つまるところ、いくら周りで騒いでも防ぐことはできないのである。
ならば、全部、経営者の個人責任でやりなさいといったほうが、本当の情報も出さざるをえないし、安全への投資も十分行われるということになる。国策という看板をおろした後も、びびることなく原発を続けられる経営はいるだろうか?
*このモラルハザードの問題は金融セクターにおいても最大の問題である。サブプライムに端を発する金融危機も無謀な貸し付けを助長する構図が要因である。今回の東電では金融不安を理由に破綻処理が進められており、Too-big-failの理屈をよく理解する銀行団はためらいもなく2兆円の貸し付けを事故後に行っている。いわばダブル・モラルハザード、アレバ社の途方もない汚染水処理システムを入れるとトリプル・モラルハザード、まあ、みんなでよってたかって国民からむしり取っているという悲惨な状況である。
2011年5月23日月曜日
2011年5月21日土曜日
東北の自立的復興
東北の復興は確かに地元だけでは不可能で国家を挙げての支援が必要である。とはいえ、とはいえ、その支援者が復興の中心になって采配を振るう必要はない。支援する側は基本的に金を出すだけでいいとさえ思う。これは避難所の支援にしてもしかり、最近Twitterで、「炊き出しの飯はいらないから、炊き出しの仕事をくれ」という被災者の方の書き込みを目にした。東北の人には遠慮するというが、助けてもらう側にしてみれば、人から同情受けるのはみじめさが伴うことは想像に難くない。彼らが望むのは一日も早い自立した生活の回復であろう。震災直後に台湾の元大統領の李登輝のメッセージの中に彼の台湾での震災対応に触れていた。彼は震災後各地の都市を回って、首長に自由に使える予算を渡し、最後の責任は彼が取るから住民ニーズに答えることを伝えて回ったという。良き指導者に恵まれた国民は幸せである。更にはがれき撤去などの作業に被災者を優先して雇用するように指示したという。人間は仕事と金がない限り、将来への展望もないのが現実だ。そのためには稼ぎの場が必要だ。被災の状況は各地でそれぞれ、つまりニーズもその優先度も千差万別である。それを中央で仕分けするのは無理だ。ひも付き補助金はいらない、好きに使える交付金でいいではないか?
日本の国民、政府ともに東北の支援に本気で取り組んでいる姿勢は素晴らしいと思うが、あまり私が私がと目立とうとせず、そろそろ地元に任せてはどうか?東京にいて「高台住宅」「エコシティ」、「鎮魂の森」を提案したりするのも結構だが、まずは地元の人からの提案するまで待とうではないか。
日本の国民、政府ともに東北の支援に本気で取り組んでいる姿勢は素晴らしいと思うが、あまり私が私がと目立とうとせず、そろそろ地元に任せてはどうか?東京にいて「高台住宅」「エコシティ」、「鎮魂の森」を提案したりするのも結構だが、まずは地元の人からの提案するまで待とうではないか。
2011年5月20日金曜日
地熱・熱よ上がれ!
今回の東日本大震災の破壊力は自然の力の圧倒的力を見せつけた。この地震国で今の原子力発電所の組み合わせは「ウナギに梅干しの食い合わせ」「猿と犬」などには比ぶべくもない不都合な組み合わせである。地震のエネルギーがどこから来るかといえば地球のマントルの熱、それが地震となるか火山爆発として噴出する。そのエネルギーの一部は温泉となる。日本における地熱発電の総発電ポテンシャルは世界第三位、3300万KWといわれている。すべて開発されれば東電管轄の現在のベースロード分くらいはまかなえることになる。ところが開発されているのは今のところ、53万kWどまりで世界第8位、日本の総発電容量の0.2%しか貢献していない。その理由として、まずあげられるのが開発リスクとコストである。2kmほどボーリングを何度かやって当たる確率は60%程度、コストは数億円程度というのだが、これは油田開発とかに比べてなんと小さな額とリスクであろう。一度当たればほぼ無尽蔵かつ発電コストはkWhあたり10円以下、さらにはCO2も出ず、再生可能エネルギーの中で唯一安定大規模でベース運転できるといういいことづくめである。こんなすばらしい将来への資産はないのではないかとおもう。日本は孫子の代まで国債と放射性物質を大量に残す悲しい国であるが、せめて地熱発電でも残してはどうか思う。ただ地元と環境省の反対が大きな壁で、すでにある温泉が枯渇するということで草津では嬬恋での開発を阻止しているようだ。しかし、草津のような大規模温泉の横は後回しにするとしても、それ以外に日本の温泉はもうかなり寂れた場所も大きく、地元とWin-Winの関係でいく方法があるような気がする。まずは電気料金を地元には下げて上げる。たとえばkWh10円にする。会社にして株式を一部、分ける。また、補償制度を政府が作って、悪影響が出た場合には補償するというのもいいであろう。また開発可能地の8割が国立公園内といわれている。これは国立公園法を改定、景観保護に立脚した施設デザインすることで許可ということにすればよいのではないかと思われる。こうしたなかなかよさげな地熱発電だが、またもや事業仕分けの対象になっていたようだ。事業仕分けの爪痕はここにもある。
http://www.dailymotion.com/video/x9hv4n_yyyyyyyyyyyyyyyyy_news
http://www.dailymotion.com/video/x9hv4n_yyyyyyyyyyyyyyyyy_news
2011年5月17日火曜日
東電コント
清水社長:ねえねえ武藤ちゃん、完全メルトダウンだって?
武藤副社長:はい、残念ながらそのような状況です。
清水社長:じゃ、核燃料はどこまでいってんの?
武藤副社長:おそらく、圧力容器は貫通、ほぼ間違いなく格納容器も抜けているかと
清水社長:えっえぇー、じゃ外に出ている?なんでそんなことになんの?
武藤副社長:なにせ燃料には崩壊熱というのがございまして、運転を停止しても自分で燃えております。温度は2800度にも達しますので、鉄の壁も溶かしてしまいます。
清水社長:格納容器の外は何なの?
武藤副社長:固いコンクリートで人工地盤になっております。
清水社長:じゃ、そこで大丈夫なわけね?
武藤副社長:いえ、コンクリートもこの温度ですと焼けて、更に燃料は下に行っているかと。はい。
清水社長:どんどん下に?
武藤副社長:ええ、どんどん下に。(ふたりでしたをうつむく)
清水社長:その下は何が?
武藤副社長:たぶん砂岩と礫岩の地層とか、地下水層とかであると思われます。地下水に交じりますと、これは海ともつながっておりますので、ますます汚染が広がり大変なことになると懸念しております。
清水社長:それは大変ねえ。でも今回は放射性物質が勝手に入って行ったんでしょう?だからこれはロンドン条約の放射性物質の海洋投棄にはあたらなんじゃないの?
武藤副社長:さあ、それはいかがなものでしょうか?
清水社長:そうよ、そうよ、これは海洋投棄じゃなくて、勝手な逃避じゃない?
武藤副社長:ただいま地下探査を実施しておりまして燃料の先端はすでに地下2kmまでに達しているもようです。
清水社長:2km! おー、それはすごい。このままマントルまでかってにいってくれないかしらねえ。
武藤副社長(電話をとるしぐさ):何?ふんふん、え?ええ?そうか、わかった。とりあえず社長にお知らせする。(社長の方をみて)社長、大変なことになりました!
清水社長:なんだ、津波、冷却装置停止、水素爆発、この上大変なことがまだあるのかあ?
武藤副社長:はい、核燃料の先端が温泉の水脈にぶつかりまして、福島第一に巨大温泉が出現したとのことです。
清水社長:え、君たち技術者はやはり視野が狭いねえ。それは久しぶりのいいニュースじゃないかあ、放射性温泉というのはからだにいらしいぞ?きみい。電力会社はつぶれたも同じだから、今度は大規模温泉に事業がえしよう。そうだ、フラガールも呼んで、そうそう、マンゴも栽培しよう。なんか元気が出てきたぞ!例の入院の予定も取り消しておかねば。。。んんんっと東国原にもPR大使になってもらおう。TV局も最近ちょっと冷たいし、広告費の予算もだいぶ余っているだろう?
武藤副社長:しかしながら、温泉となりますと監督官庁が環境省ではないでしょうか?乗り換えは経産省がおゆるしにならないと思いますが?
二人一緒に:Oh NO
(チャンチャン)
以上の登場人物は実名ですが、すべてフィクションであり、事実および科学的根拠に基づいたものではなりません。福島第一の皆さんはいつまでも応援してますよ!本社に負けるな!
武藤副社長:はい、残念ながらそのような状況です。
清水社長:じゃ、核燃料はどこまでいってんの?
武藤副社長:おそらく、圧力容器は貫通、ほぼ間違いなく格納容器も抜けているかと
清水社長:えっえぇー、じゃ外に出ている?なんでそんなことになんの?
武藤副社長:なにせ燃料には崩壊熱というのがございまして、運転を停止しても自分で燃えております。温度は2800度にも達しますので、鉄の壁も溶かしてしまいます。
清水社長:格納容器の外は何なの?
武藤副社長:固いコンクリートで人工地盤になっております。
清水社長:じゃ、そこで大丈夫なわけね?
武藤副社長:いえ、コンクリートもこの温度ですと焼けて、更に燃料は下に行っているかと。はい。
清水社長:どんどん下に?
武藤副社長:ええ、どんどん下に。(ふたりでしたをうつむく)
清水社長:その下は何が?
武藤副社長:たぶん砂岩と礫岩の地層とか、地下水層とかであると思われます。地下水に交じりますと、これは海ともつながっておりますので、ますます汚染が広がり大変なことになると懸念しております。
清水社長:それは大変ねえ。でも今回は放射性物質が勝手に入って行ったんでしょう?だからこれはロンドン条約の放射性物質の海洋投棄にはあたらなんじゃないの?
武藤副社長:さあ、それはいかがなものでしょうか?
清水社長:そうよ、そうよ、これは海洋投棄じゃなくて、勝手な逃避じゃない?
武藤副社長:ただいま地下探査を実施しておりまして燃料の先端はすでに地下2kmまでに達しているもようです。
清水社長:2km! おー、それはすごい。このままマントルまでかってにいってくれないかしらねえ。
武藤副社長(電話をとるしぐさ):何?ふんふん、え?ええ?そうか、わかった。とりあえず社長にお知らせする。(社長の方をみて)社長、大変なことになりました!
清水社長:なんだ、津波、冷却装置停止、水素爆発、この上大変なことがまだあるのかあ?
武藤副社長:はい、核燃料の先端が温泉の水脈にぶつかりまして、福島第一に巨大温泉が出現したとのことです。
清水社長:え、君たち技術者はやはり視野が狭いねえ。それは久しぶりのいいニュースじゃないかあ、放射性温泉というのはからだにいらしいぞ?きみい。電力会社はつぶれたも同じだから、今度は大規模温泉に事業がえしよう。そうだ、フラガールも呼んで、そうそう、マンゴも栽培しよう。なんか元気が出てきたぞ!例の入院の予定も取り消しておかねば。。。んんんっと東国原にもPR大使になってもらおう。TV局も最近ちょっと冷たいし、広告費の予算もだいぶ余っているだろう?
武藤副社長:しかしながら、温泉となりますと監督官庁が環境省ではないでしょうか?乗り換えは経産省がおゆるしにならないと思いますが?
二人一緒に:Oh NO
(チャンチャン)
以上の登場人物は実名ですが、すべてフィクションであり、事実および科学的根拠に基づいたものではなりません。福島第一の皆さんはいつまでも応援してますよ!本社に負けるな!
合理的精神のメルトダウンを回避しよう!
民主党の細野氏が核燃料は圧力容器を破って格納器まで多少は達しているかもと発言した。しかしよく考えてみよう。ことは一番損害がないと思われていた一号機の水棺作業をしようとしたら水が半分くらいしかたまらないということで再検査したことに端を発していたはずだ。その結果なんと炉が空だったということを今更発見した。しかし、水棺作業は中の圧力容器ではなく、その外の格納容器に対して行っていたはずである。そこに水がたまらない、かつ燃料棒の完全メルトダウンとなると、論理的帰結は格納容器も損傷して水漏れしているということである。原子力村ではいまでも原子力安全神話を神棚にまつっているのであろうか?お釜はもう割れているのだ。問題は割れて燃料はどこまで達しているのか?
そろそろ客観的で論理的な思考を取り戻し、最も科学的に合理的な説明を国民に伝えた方がよいのではないか?米国ではメルトダウンだけではなく、三号機あるいは1-2号機において再臨界―核爆発が起こっていたのではないかという推測も始まっている。またもや海外が先に知って日本国民が後という知辱サイクルを繰り返すのでは、日本人の知性が世界水準に達していないという国家機密さえも漏洩していくのではないかと心配だ。
そろそろ客観的で論理的な思考を取り戻し、最も科学的に合理的な説明を国民に伝えた方がよいのではないか?米国ではメルトダウンだけではなく、三号機あるいは1-2号機において再臨界―核爆発が起こっていたのではないかという推測も始まっている。またもや海外が先に知って日本国民が後という知辱サイクルを繰り返すのでは、日本人の知性が世界水準に達していないという国家機密さえも漏洩していくのではないかと心配だ。
2011年5月16日月曜日
原発報道が示す日本の欠陥
菅降ろしと東電の報道についてもう少し考えてみた。
去る2週間ほど前、ちょうど初めて東電の清水社長が福島の避難所に謝罪に行った様子をニュースステーションで見ていると、映ったのは「もう済んだことは性がないんだからこれから頑張って頂戴」と手を握って励ますおばさんの絵柄。その数日前の菅首相に対して「もうかえんのか!」と、一国の首相に対してとは思えないため口を繰り返し写したニュース映像とのギャップにかなり違和感を感じた。誰が一番の責任者なのか?地震の翌日、東電の社長は官邸に対して福島第一の現場から全員撤退させたいと申し入れた。激怒した首相は、「今逃げたら、東電はないものと思え!」と怒鳴った声が会議室の外まで聞こえたということは幾多のメディアの伝えたこと。私だったら社長の胸ぐらをつかんで頬っぺたを張り倒すぐらいはやったかもしれない。ところが、メディアの報道は、イラ菅が恐喝したとかと東電に同情的で、むしろ、首相下ろしを煽情的に報道しているかにみえた。菅首相がこの時に礼儀ただしく対応し、全員退避を許したら、福島第一全部が暴走状態になっていた可能性も否定できないはずである。しかし毎日新聞以外は首相の対応を評価した報道は見ていない。これらを合わせて考えると、やはり伝えられているように大手マスメディアは東電からの大量の広告費をもらっていたという意味で共犯者であったし、ひょっとすると今もそうなのかもしれない。メルトダウンにしても、放射能の拡散にしても、ともかくすべては後で知ることになる。いまや、大手メディアに対する信頼感は地に落ちた感がある。
日本は少なくともアジアの中では民主主義と言論の自由という面では先進国であると信じていたが、この私の純朴な認識も今、崩れつつある。大事なことは常に大衆には知らしめないような巧妙な仕組みが張り巡らされている。この数年、一年ごとに首相が変わるという異常事態が続いた日本であるが、これは政治家の無能さだけが理由ではないようだ。メディアにとって、政治家、有名人をいじめるのが一番コストもリスクも低くて大衆が喜ぶので、あることないことを報道して、何とか視聴率あるいは販売部数を伸ばそうとした努力の帰結に他ならないのかもしれない。これは小学校のいじめの大人版以外何物でもなく、成熟した民主主義とは似て非なるものである。更にいえば、東電からはお金をたくさんもらえるが、菅首相からはお金をもらうことができない。言論の自由は歪曲され、資本主義的情報操作が横行しているということでもある。
幸い、今はネットという大衆に開かれたメディアがある。このプラットフォームからメディアの虚偽を暴くことは期待できるかもしれない。このブログの動機もそうした危機感に基づいている。自分の頭で考え、正々堂々と議論する開かれた社会を再構築しなければ、日本は坂道を転げ落ちるしかない。そして、新しい社会の在り方を考える国民が増えていけば、この未曾有の災いも福となせるかもしれない。
去る2週間ほど前、ちょうど初めて東電の清水社長が福島の避難所に謝罪に行った様子をニュースステーションで見ていると、映ったのは「もう済んだことは性がないんだからこれから頑張って頂戴」と手を握って励ますおばさんの絵柄。その数日前の菅首相に対して「もうかえんのか!」と、一国の首相に対してとは思えないため口を繰り返し写したニュース映像とのギャップにかなり違和感を感じた。誰が一番の責任者なのか?地震の翌日、東電の社長は官邸に対して福島第一の現場から全員撤退させたいと申し入れた。激怒した首相は、「今逃げたら、東電はないものと思え!」と怒鳴った声が会議室の外まで聞こえたということは幾多のメディアの伝えたこと。私だったら社長の胸ぐらをつかんで頬っぺたを張り倒すぐらいはやったかもしれない。ところが、メディアの報道は、イラ菅が恐喝したとかと東電に同情的で、むしろ、首相下ろしを煽情的に報道しているかにみえた。菅首相がこの時に礼儀ただしく対応し、全員退避を許したら、福島第一全部が暴走状態になっていた可能性も否定できないはずである。しかし毎日新聞以外は首相の対応を評価した報道は見ていない。これらを合わせて考えると、やはり伝えられているように大手マスメディアは東電からの大量の広告費をもらっていたという意味で共犯者であったし、ひょっとすると今もそうなのかもしれない。メルトダウンにしても、放射能の拡散にしても、ともかくすべては後で知ることになる。いまや、大手メディアに対する信頼感は地に落ちた感がある。
日本は少なくともアジアの中では民主主義と言論の自由という面では先進国であると信じていたが、この私の純朴な認識も今、崩れつつある。大事なことは常に大衆には知らしめないような巧妙な仕組みが張り巡らされている。この数年、一年ごとに首相が変わるという異常事態が続いた日本であるが、これは政治家の無能さだけが理由ではないようだ。メディアにとって、政治家、有名人をいじめるのが一番コストもリスクも低くて大衆が喜ぶので、あることないことを報道して、何とか視聴率あるいは販売部数を伸ばそうとした努力の帰結に他ならないのかもしれない。これは小学校のいじめの大人版以外何物でもなく、成熟した民主主義とは似て非なるものである。更にいえば、東電からはお金をたくさんもらえるが、菅首相からはお金をもらうことができない。言論の自由は歪曲され、資本主義的情報操作が横行しているということでもある。
幸い、今はネットという大衆に開かれたメディアがある。このプラットフォームからメディアの虚偽を暴くことは期待できるかもしれない。このブログの動機もそうした危機感に基づいている。自分の頭で考え、正々堂々と議論する開かれた社会を再構築しなければ、日本は坂道を転げ落ちるしかない。そして、新しい社会の在り方を考える国民が増えていけば、この未曾有の災いも福となせるかもしれない。
2011年5月15日日曜日
完全メルトダウン
政府の東電存続と国家補償きまり、ほっとしたのか東電は早速、1-3号機まで
全部メルトダウンしているかもとあっさり発表。完全にメルトダウンで、下にある人工地盤がひび割れだと
もう後はいくら上からやってもだめではないか?チェルノブイリの300倍でしたか総放射性物質の量は?
この放射性物質が徐々に海洋に放出。すし文化もおしまいとは皮肉な話。すしやで今夜は
一万ベクレルにぎってと江戸っ子はみえをきるかもしれないが。
半分くらい海洋に放出してもおそらく誰もすぐには死なないだろうが、日本の世界での
地位は経済を含めてかなり低下するであろう。世界中から何とかこれを処理する方法を日本は強要されるだろうが砂金を川から救うごとく効率の悪い延々とした終わりのない作業。ODAどころではない。毎年数千億円を垂れ流し続けるような国威掲揚上最悪の状態が続くことも十分あり。失われた15年の後には失い尽くす20年が待っているかもしれない。やはり早い段階でタンカーでも持ってきてガンガン水を入れるような軍事作戦が必要だったかもといまさらに思う。自分のボーナスを半分にしかできないマネジメントに国家の大事は理解できない。だから海水を入れるのをためらって会社のみならず国家をつぶすがそれでも自分の方がかわいい。所詮民間にはとてもできない仕事だったのだ。
日本よ、さあこれからどうするか?本当の英知が必要だ。
全部メルトダウンしているかもとあっさり発表。完全にメルトダウンで、下にある人工地盤がひび割れだと
もう後はいくら上からやってもだめではないか?チェルノブイリの300倍でしたか総放射性物質の量は?
この放射性物質が徐々に海洋に放出。すし文化もおしまいとは皮肉な話。すしやで今夜は
一万ベクレルにぎってと江戸っ子はみえをきるかもしれないが。
半分くらい海洋に放出してもおそらく誰もすぐには死なないだろうが、日本の世界での
地位は経済を含めてかなり低下するであろう。世界中から何とかこれを処理する方法を日本は強要されるだろうが砂金を川から救うごとく効率の悪い延々とした終わりのない作業。ODAどころではない。毎年数千億円を垂れ流し続けるような国威掲揚上最悪の状態が続くことも十分あり。失われた15年の後には失い尽くす20年が待っているかもしれない。やはり早い段階でタンカーでも持ってきてガンガン水を入れるような軍事作戦が必要だったかもといまさらに思う。自分のボーナスを半分にしかできないマネジメントに国家の大事は理解できない。だから海水を入れるのをためらって会社のみならず国家をつぶすがそれでも自分の方がかわいい。所詮民間にはとてもできない仕事だったのだ。
日本よ、さあこれからどうするか?本当の英知が必要だ。
2011年5月14日土曜日
菅降ろしは意味があるのか?
メディアの論調を見ると、全体的に我が国の首相に対して厳しい態度である。田原総一郎氏をはじめとした評論家の論評も手厳しい。しかし、菅首相になるべき次の首相候補はだれであるのであろうか?自民党から民主党、そして歴代の首相を見ていると二つの流れがある。一つは政官蜜月政治からの脱却、そして若返り。結果として今回の大地震、津波、原発と同時に幾多の危機が訪れた時に行政ネットワークと決別していた官邸は機能麻痺の状況となった。確かに亀井静香のような伝統的な親分型政治家だったらもっとうまく官僚を使いこなしてうまく危機対処したかもしれない。阪神淡路の時の村山首相だったらどうだったであろうか?東電の福島からの撤退を許して、とうに6基の原発が制御不能のメルトダウンと爆発を繰り返し、東京都民の避難という事態になっていたかもしれない。
危機管理体制のできていなかった東電という巨大企業VS官邸という構図で原発事故処理の構図は続いているが、第一義的な事故責任は東電であり、官邸ではない。今回のメルトダウンの原因は海水注入が長時間できなかったことが最大の原因である。今頃東電は言い訳をしているようであるが、トップの決断が遅れたこと、それが無知に基づくものなか、臆病さ故なのかは事故調の調べてある程度は明らかになってくるはずである。3月の段階では菅首相の現場訪問がベントを遅らせたという報道がTV、新聞を占めて、首相の人災であるという認識が日本全体にいきわたった。その後の原発報道から明らかになったように大手メディアは菅首相に極めて厳しく、東電にとても優しい。
結論からいえば、菅降ろしは、首相一人の首をはねることで後は不問にして国民の怒りを鎮めるという古来の政治に他ならない。それでも気が収まらなければ、おそらくは清水社長の首が差し出されるであろう。あるいは東電の整理ということになるかもしれない。それで憂さを晴らした国民は原発補償、廃炉費用と高いつけを払い続けさせられることになる。
この国が先進国として生き残るとしたら、社会改革しか残された道はない。今、国民的な意識の変化と改革へのコミットメントが
形成されなければ、日本はかつてのポルトガルと同じようにずるずると坂道を落ちていくであろう。
首相下ろしはその回答ではない。
危機管理体制のできていなかった東電という巨大企業VS官邸という構図で原発事故処理の構図は続いているが、第一義的な事故責任は東電であり、官邸ではない。今回のメルトダウンの原因は海水注入が長時間できなかったことが最大の原因である。今頃東電は言い訳をしているようであるが、トップの決断が遅れたこと、それが無知に基づくものなか、臆病さ故なのかは事故調の調べてある程度は明らかになってくるはずである。3月の段階では菅首相の現場訪問がベントを遅らせたという報道がTV、新聞を占めて、首相の人災であるという認識が日本全体にいきわたった。その後の原発報道から明らかになったように大手メディアは菅首相に極めて厳しく、東電にとても優しい。
結論からいえば、菅降ろしは、首相一人の首をはねることで後は不問にして国民の怒りを鎮めるという古来の政治に他ならない。それでも気が収まらなければ、おそらくは清水社長の首が差し出されるであろう。あるいは東電の整理ということになるかもしれない。それで憂さを晴らした国民は原発補償、廃炉費用と高いつけを払い続けさせられることになる。
この国が先進国として生き残るとしたら、社会改革しか残された道はない。今、国民的な意識の変化と改革へのコミットメントが
形成されなければ、日本はかつてのポルトガルと同じようにずるずると坂道を落ちていくであろう。
首相下ろしはその回答ではない。
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